「 風の聲 」

草原のど真ん中の一本道を
あてもなく浪人が歩いている

ほとんどの奴が馬に乗っても
浪人は歩いて草原を突っ切る

早く着くことなんか
目的じゃないんだ
雲より遅くてじゅうぶんさ
この星が浪人にくれるものを
見落としたくないんだ

葉っぱに残る朝露
流れる雲
小鳥の小さなつぶやきを
聞きのがしたくない
だから浪人は立ち止まる
そしてまた歩きはじめる

『浪人の詩』_____映画「十五才」より

20221124 入道ヶ岳(鈴鹿) 山頂より

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